岡空小児科医院 最新のトピックス 2026年7月
2026年06月20日 更新
1.生後2月からの食物アレルギー(以下、FAと略)予防:食物アレルギーは乳児期から発症することが多く、その有病率は増加傾向にあります。 これまでFAの予防は乳児期早期から原因食物を「回避」することが中心でした。 しかし近年、乳児期の免疫学的知見の進展と臨床研究の蓄積により、従来の回避戦略そのものが発症リスクを高めていた可能性が示されています。 特に経皮的(皮膚からを通じて)な抗原曝露による感作と経口摂取(実際に食べさせる)による免疫寛容(アレルギー反応を起こさない)誘導という概念は、FA発症機序の理解を大きく変えて、FA予防戦略のパラダイムシフトをもたらしています。 当院では生後2月の赤ちゃんを対象に予防戦略を伝授いたします。 詳しくは電話(0859−47−1234)でお尋ねください。
2.子どもたちの自主性を育てましょう! 古き昭和の時代、小学生は鼻水を垂れながら、お小遣いにもらった10円玉を握りしめて、駄菓子屋にかけこみ、そこのおばちゃんと会話しながら、大人を含めた他者との接し方(コミュニケーション能力)を自然と育んできました。 今の子どもたちはどうでしょうか? 圧倒的に大人との接し方が育っていません。 病院受診がその練習にもってこいです。 いきなりは無理ですが、まずは親が模範を示しながら、一連の受診行動を少しずつ教えていきませんか? 米沢藩主、上杉鷹山の言葉です。 「してみせて、いってきかせて、させてみる」 小学校を卒業する頃には、自分で受付して、問診に答え、呼び出しには爽やかに返事して、医師の説明にきちんと聞いて、薬を受け取り、会計を済ませることができたら、100点満点です。 ぜひ、頑張らせてみてください。 岡空小児科医院は子どもの自主性育成を応援しています。
3.事業承継を前提に共同経営者を引き続き募集しています。 ただ、中々応募がありません。 事業継承は棚上げとして、当面(10年前後)は自力で頑張ります。 もちろん、良い話があれば相談に乗ります。 継続診療の決意として、開業30周年記念の意味も込めて、外装のリフォームを行います。 どのように改装されるか・・・乞うご期待!
4.院内の各種パンフレットを一新しました。 どうぞ、ご利用ください。 (1)風邪の症状 (2)胃腸炎症状 (3)湿疹、アトピー性皮膚炎とスキンケア (4)アレルギーについて、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎 (5)感染症の診断と検査 (6)返事と挨拶がなぜ大切か? (7)言葉の使い方について (8)食物アレルギー 要約を以下に掲げます。
(1)風邪の症状(発熱、咳、鼻水など)について:人が風邪を引くと熱が出て、咳や鼻水を伴います。 なぜそのような症状が出るのでしょうか? その理由を考えながら、最善の対応方法を一緒に考えていきましょう!
(2)胃腸炎症状(嘔吐や下痢など)について:胃腸炎の原因はウイルスや細菌が多く、周囲に伝播するため、感染性胃腸炎と呼ばれます。 現代ではカンピロバクターなどの細菌やノロウイルスなどのウイルスがその代表です。 あらゆる年齢が罹患しますが、細菌性は小学生以上が多く、ウイルス性は乳幼児が中心の傾向があります。 症状は発熱、嘔吐、下痢、血便、腹痛などです。 なぜそのような症状が発現するのか? 理由を探りながら、最善の対応策を一緒に考えていきましょう。
(3)湿疹、アトピー性皮膚炎とスキンケア:皮膚には ① 外からの侵襲に対する防御作用 ② 体温の調節作用 ③ 触覚、痛覚などの知覚作用等の大切な働きがあります。 湿疹、アトピー性皮膚炎を少しでも良くするために正しいスキンケアについて、一緒に考えていきましょう。
(4)アレルギーについて、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎:感染症の場合、免疫反応(発熱、咳、鼻汁、嘔吐、下痢などの合目的な症状)の発言で病気に対抗しますが、アレルギー疾患の場合は無駄な、過剰なアレルギー反応(喘息、くしゃみ、鼻水、目の痒み、蕁麻疹など)を原因物質(アレルゲン)が存在する限り、症状が続くのが一般的です。 治療(内服薬、吸入、点眼薬、点鼻薬など)で一旦は治りますが、原因物質を排除もしくは免疫寛容(アレルゲンと見なさない状態)にならなければ症状は続く可能性があります。 ただし、ダニとスギはアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)でアレルギーからの脱却が可能です。 ダニアレルギー、スギアレルギーでお悩みの方は是非ご相談ください。
(5)感染症の診断と検査:ほとんどの場合は確定診断の必要はありませんが、各種単一抗原の迅速検査、多項目迅速抗原検査、ウイルス・細菌核酸多項目同時検出検査など準備しています。
(6)返事と挨拶がなぜ大切か? 躾(しつけ)という漢字は身(からだ)が美しいと書きます。 子ども頃に躾ができている方は自然と美しい身振り(動作や所作)ができます。 しつけの3原則は、1)返事、2)挨拶(ありがとう、ごめんなさいなど)、3)靴を揃えて脱ぐ(整理整頓の第一歩、知識の整理は学力の向上につながる)です。 失敗してもいいのです。 ぜひ、クリニックで子どもたちに実践させてあげましょう。
(7)言葉の使い方について 日頃から子どもたちと接しながら、会話していますが、気になる言葉が出てきます。 言葉は時代により変遷(変化)しますが、それにしても本来の意味を知らないまま、(現時点では)間違った使い方が横行するのは、やはり正していくべきではないでしょうか? 普通、大丈夫、微妙、全然・・・などです。
(8)食物アレルギー:食物アレルギーが問題となってきた今から30年くらい前は、症状の有無にかかわらず、RAST検査(特異的IgE抗体値)が重要視され、RAST陽性の食材は乳児期(時には胎生期)から除去するという方針で医療が行われて来ました。 しかし結果として逆に重症の食物アレルギー児(そのまま大人になった)患者を増やす結果になってしまいました。 今後、食物アレルギーの子どもたちを増やさないためには、乳児期の正しいスキンケアと同時に離乳食が始まる前にアレルギーの原因となりやすい食材(卵、乳製品、小麦、そば、落花生、カニ、えびなど)を少量から経口摂取すると良いと考えられますが、現時点では適当な食材は開発されていません。 私は生後2ヶ月から食物アレルギーの90%占める卵と乳製品が少量含まれている乳ボーロを1粒ずつ与えることを推奨しています。