日本脳炎ワクチン接種中止! 本音を教えて!
2005年07月21日 更新
私たち開業医は自治体首長(例:境港市中村市長)の委嘱を受けて、DPT/麻疹/風疹/日本脳炎などの個別接種を子どもたちに、受けましょうね!(積極的勧奨)と言ってきました。 今回は日本脳炎の予防接種をすすめない(積極的な勧奨を控える)ように市長の命令を受けているわけです。 従いまして、委嘱を受けた医師の立場からは、対象年齢の子どもたちに、「どうぞ受けましょう」という積極的な勧奨はできません。
ただし、感染症を多く診る専門家の立場としては異なった考えを持っています。 これからが個人的な本音の意見とお考え下さい。
(1)日本脳炎は年間10例前後の患者発生があります。
(2)予防接種を中止すると、患者増加の危険性は否定できません。
(3)今回の中止は根拠も乏しいまま、いかにも大事件が起きたかのような通知の仕方は現場を混乱させただけの感じがします。
(4)ワクチン製造メーカーは現行のワクチン製造を中止していますから、接種も有効期限が切れたらできなくなります。 今のうちならまだ在庫がありますから接種可能ですが、来年になれば現行のワクチンはなくなり、新しいワクチン(組織培養ワクチン)も製造が軌道に乗るかどうか全く保証されていません。
(5)蚊に刺されないという自信のある親はいませんし、またどこでブタを飼育しているかもわかりません。 すなわち、感染している蚊に刺される危険性は誰にも分かりません。
(6)接種対象年齢を過ぎた場合の対応などの経過措置も全く決まっていません(勧奨接種対象外となり、有料になるかもしれません)し、未接種者(積み残し)も溜まっていくだろうし、不確定要素が多すぎます。
(7)結論としては、接種を希望する人は今のうちに済ませておいた方がよいと思います。 最悪の事態としては・・・日本脳炎の流行+ワクチン不足=ワクチン探しの大パニック!も想定されます。
(8)本音です。 自分の子どもには迷わず受けさせます!